かどた無双房鍼灸院

五臓六腑 心包A

解剖学的にいうと、心包は胸膜心膜ひだと呼ばれる胚の一部から成長します。
胸膜心膜ひだは身体の前面から、おおよそ左右の乳頭を線で結んだあたりで内側に向かって成長していきます。
胸膜心膜ひだは胸部と腹部を区切り、横隔膜を形成します。
横隔膜より上で心嚢を形成し、横隔膜より下にある肝臓の成長を誘導します。
これが鍼灸における厥陰経の起源です。
厥陰経とは手の厥陰心包経と足の厥陰肝経の2つを指します。
すべての臓器は2層のファシアに包まれています。
1つの層は臓器、もう1つの層は体壁に付着します。
この2つの層は運動を可能にするという機能的な目的と、氣を流し、秩序を保つというエネルギー的な目的の両方で役に立ちます。

 

しかし、心臓だけは3層で包まれています。
最初の2層は他の臓器を包むファシアと似て、透き通るように薄く、エネルギーに満ちた実質臓器として動くことができるようにしています。
3枚目の層は非常に厚くて強力なファシアです。
最初の2層より数千倍も厚く、胸壁から成長します。
これは心臓特有の層で線維性心膜と呼ばれています。
西洋医学における線維性心膜の機能は心臓を破裂や病原体の侵入から守る、というものです。
実際は病気になることはめったにありません。
心膜炎という疾患がありますが、これはやや誤った名称です。
正確に言うと、心臓の心外膜の炎症です。
心嚢欠損の人は心疾患になる可能性が高いです。
心嚢が心臓の保護装置として役割を果たしていることの証です。

 

 

 

発生学的に心包を見てみます。
身体がまだ胚の時期の5週目のとき、自身を内部で横隔膜で分割し、原始的胸部と腹部を形成します。
横隔膜は3つの発生学的部分で構成されます。
横中隔、胞膜心膜ひだ、食道間膜です。
・横中隔は喉の部位から下がってきて、横隔膜の中心部を形成します。
ここを伝って大動脈、食道、大静脈が伸びていきます。
肝臓を成長させるのにも重要で、肝臓と胃の間に靭帯を形成します。
・胞膜心膜ひだは胸壁から生じて、厚い繊維性心膜を形成します。
心包経が胸壁から始まる理由です。
・食道間膜は食道を覆います。

 

これら3つは融合して横隔膜を形成します。
心膜、肝臓、横隔膜、食道括約筋は解剖学的につながっているだけでなく、発生学的にもつながっています。

 

"心包経の流注:胸中から起こり、心包絡に出て属し、横隔膜を下がり、胸部、上腹部、下腹部と通過して、三焦に絡まる。
その分枝は胸腔に沿って脇に出て、腋下三寸のところから腋窩に上がり、上腕内側に沿って、手の太陰肺経と少陰心経の間を行き、肘の中に入り、前腕を下がって両筋の間を行き、手のひらに入り、中指橈側に沿って末端に出る。
その分枝は、手のひらで分かれ出て、薬指に沿って末端に出て、手の三焦経につながる"

 

肝経の流注:足の親指の毛の生えているところから起こり、足の甲の内側に沿って上がり、内くるぶしの前に行き、脛の内側を上がり、中ほどで足の太陰脾経と交差してその後方に出て、膝窩の内側を上がり、太ももの内側に沿って、陰毛の中に入り、性器を巡って下腹に達し、胃を挟んで傍らを行き、肝に属して胆に絡まる。
横隔膜を貫いて上行し、脇肋に広がり、気管の後ろに沿って上がり、喉に入り、目系につながり、上行して額に出て、頭頂で督脈と交わる。その支脈は目系から頬の裏に下がり、唇の内側を回る。肝から分かれ出た支脈は横隔膜を貫き、上行して肺に注ぐ。

 

中国ではのちに横隔膜と呼ばれる、胸部と腹部を分ける脂っぽい膜があることを知っていました。
横隔膜は三焦の一部、上焦と中焦を分け隔てるものとして三焦の一部とされ、心包もこの一部に属するとしました。
発生学上の横隔膜が形作る臓器と一連の構造物が厥陰経の経絡とその臓腑に類似しているのは偶然ではなく、同一のものなのです。
心膜は、心膜横隔靭帯を介して横隔膜につながっています。横隔膜と肝臓は肝臓の無漿膜野でつながっています。

 

 

 

心包について「類経」を書いた張景岳の説を書いておきます。
『霊枢邪客篇』「心は五臓六腑の大主であり、その臓は堅固で邪は侵入できない。
もし侵入したら心が傷つく。
心が傷つくと神が去りる。
神が去るとは死ぬことである。
だから諸邪で心にあるということは心の包絡にあるということだ」
張景岳は上記のように黄帝内経に書かれていると指摘したうえで、
下記のような疑問を呈しています。

 

難経では無形とありますが、どこから水道が出るのか?
どこから厚い薄い、緩急、直結の分類があるのか?
なぜ縦や横という理があるか?
どこから霧のごとく、中焦は?のごとく、下焦は?のごとし、あるいは気や血の分類ができるのか?
難経では心主も無形というが、心に代わって邪を受けるのが心の包絡であるとするならば、心包絡は形がなくてどこで受けるのか?
難経は黄帝内経の難しい説を解説するもののはずですが、黄帝内経では名状が詳しく書かれているのに、難経では無形としています。

 

難経の<無>に従いますか?
黄帝内経の<有>に従いますか?

 

心包絡については古今の賢人たちはそれを心を包む膜である、という考えで疑いはありません。

 

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