かどた無双房鍼灸院

胆と胆嚢

胆のはたらきは表裏の関係にある肝で作られた胆汁を胆のうに貯蔵して、
脾胃の消化作用を助けるために分泌します。
現代医学と同じですね。
何千年も昔にこの仕組みが理解できているのには驚くばかりです。
胆の働きが悪いと、
食欲減退、脇腹のはりや痛み、腹部膨満感、黄疸、口が苦い
などが起こります。

 

そしてこれは東洋医学独自の考え方ですが、
胆は決断を主る、といわれています。
精神意識の活動は肝と胆のはたらきによるところが大きいです。
肝でいろいろ計画をたてたり熟考して、胆でそれに対して決断をくだして実行するのです。
俗に『肝っ玉が大きい』とか『肝っ玉が小さい』とか
あるいは『胆力がある』とか言う言葉があります。

 

肝っ玉とは「きもだま」「肝玉」「肝魂」のことで、
意味が転じて、気力とか胆力のことを意味します。
そして胆力とは、
ずっしり落ち着いた気力、物事にたやすく驚いたり、慌てたりしない気力を意味します。
これらの言葉は東洋医学に意味の源流があったんですね。
胆の働きが悪いと、ビクビクオドオドしたり、逆にイライラしたりします。

 

胆〜リンパの経絡


マイケル・キーオン著「閃めく経絡」を基に胆について書いていきます。

 

中国の慣用句では、強い胆を持つことは
「やりとげる決意」
「直立の姿勢を保つ」
「勇気を持つ」
といった意味があります。
胆力という言葉があります。
この意味は以下のとおりです。
物事に簡単に驚いたり恐れたりしない気力。度胸。

 

胆経は陰陽でいうと陽の経絡です。
陽経は多くの場合筋肉を覆う筋膜の外側にあります。
その陽経はどのようにその内側に入り、腹膜の中にある胆嚢とつながるのでしょうか?
胆はファシアや腱(凝縮したファシア)と密接に関係します。
経絡のラインは側頭筋膜を走行し、胴体の外側を通って筋膜を名前に持つ唯一の筋肉である大腿筋膜張筋に向かいます。
下腿の腓骨頭のすぐそばにある陽陵泉というツボで、腱をリラックスさせる優れたツボです。
特別なツボのグループで八会穴というものがあります。
腑、臓、筋、髄、血、骨、脈、気の8つのそれぞれの気が集まるところで、それぞれの病変の治療に用いられます。
身体に多くのツボがある中でも特別な存在といえます。陽陵泉はその中の筋会にあたります。
胆は腱の気を制御し、柔軟に保ちます。
なぜ胆にはファシアとそのような強い関係があるのでしょう?

 

臓器としての胆嚢は体の最も深い場所にある肝臓にへばりつくように位置しています。
肝は厥陰経です。
厥陰病という状態があります。
これは病邪が少陰を過ぎて臓腑深部に入って臓腑機能が衰え、重篤で死に至る状態です。

 

キーオンいわく、厥は側面が開けた山として描かれています。
厥は戻るという意味です。この場合の戻る、とは陰が陽に戻ることです。"

 

素問・至真要大論に「両陰交わり尽きる。故に厥陰という」と書かれています。
厥には極まるという意味があります。
病が厥陰に至れ ば陰寒が極致に達する。
また厥陰は、陰が尽きて陽が生じ寒熱の錯雑した病態を呈する段階でもあります。
腸の層構造を描くと、身体の6枚の層に似ています。
厥陰だけが腸の外側にあります。
これは腸が陰中の陽だからです。
厥陰は陰が極まるところの陰であり、陽に戻るはずのもの、です。
極すれば転じる、と陰陽理論にありますね。
過剰な陰は陽に転換します。
厥陰は豊富で栄養価の高い体液と氣を伴って少陽のリンパへと戻っていきます。

 

西洋医学では腹腔内の体液は実際に回路内を移動していくとされています。
肝臓で始まって、腸周辺を進み、骨盤まで下降します。
骨盤で卵管を通して外部とやりとりし、肝臓の下に戻ってきて終わります。
肝臓では、肝臓の表面と横隔膜の間に開口部があります。
この体液はリンパに吸収されます。
キーオンはこれが実際の厥陰と考えています。
西洋医学はこれを結腸傍溝にある中皮下リンパ管と呼んでいます。
中皮下リンパ管の液体は乳び層(cisterna chyli)と呼ばれる集合リンパ節に吸収されます。
Cisterna はラテン語で空洞、chyli は懸濁液を意味します。
乳白色の脂肪性懸濁液を含んだ大きな空洞です。
懸濁液とは、固体の微粒子が液体中に分散している混合物。
粒子の大きさはコロイド粒子程度かそれよりも大きいです。
たとえば泥水や墨汁・印刷インキなどがそうです。
この体液は腹腔で産生されてものだけでなく、消化管のリンパに吸収された多くの脂肪を含んでいます。脂肪は体内で特別な循環をしています。
消化管から血液に吸収されません。
水と油の関係だからです。

代わりにカイロミクロン(ラテン語で小さな脂肪のボール)の形でリンパ管に入ります。
乳び層は体内のリンパ管のターミナル駅のようなもので、胆嚢はそのすぐ上に位置しています。
もちろん近いだけで液体が行き来しているわけではありませんが。
胆嚢とリンパの関係は位置の近さだけではありません。
それらの機能にも関係します。胆嚢は正しく脂肪を吸収させる役割があります。
胆嚢は胆汁を貯蔵し、脂肪が適切にリンパに吸収されるようにしています。
胆汁が脂肪を細かく分解しています。
つまり、脂肪があまりに多いと胆嚢が動き出すわけで、リンパと胆嚢の関連が見て取れます。

 

このように胆嚢はリンパと脂肪の臓器であり、6層構造の体の中で完璧に機能します。
リンパ腺は大動脈(心から出ているので少陰経)のすぐ裏側に位置しているからです。

 

胆嚢は脂肪やリンパとの関連が強いです。
リンパ管は上は肩へ向かい、下は骨盤に降りて仙骨に至ります。
胆嚢疾患の患者や子宮外妊娠破裂などにより胆嚢近くで出血する患者の一部は関連痛で肩が痛くなります。
痛みはリンパ管が胸管に入っていくファシアの通路に沿ったものです。
邪気が胸管の流れに沿って上方に向かい、神経を刺激します。
そして鎖骨下静脈へと合流します。この静脈は肩深くに在り、肩の痛みを感じる原因になります。

 

胆嚢と腱はどのようにファシアでつながるのでしょうか?
中医学は胆が腱(非常に凝縮されたファシア)の氣に関与するとしています。
多くの胆経のツボはファシアが密に積み重なる部位にあります。
脂肪(高コレステロール)の問題と腱の問題はよく関連づけられます。
腱を断裂する人は高コレステロールの疑いがあります。
高コレステロール血症は制御されていない脂肪の例であり、脂肪の制御には胆嚢が重要な役割をしています。
このように胆と柔軟な腱といった中医学的なつながりは実際に道理にかなっています。

 

黄色腫と呼ばれるコブを生じさせる病気があります。
高脂血症の合併症の1つで、皮膚における動脈硬化のような病変です。
高コレステロール血症の人に生じる腱黄色腫は、アキレス腱など皮膚表面に近い腱が太くなるものです。血漿中のリポたんぱく(脂肪とたんぱくの結合物)を取り込んで脂肪分をためた泡沫細胞が皮膚や腱に浸潤しておこります。

 

陽の臓器は実際のところすべて経絡です。
腱やファシアに対するその密接な関係は、血液ではなくリンパで栄養分をあたえられるためです。
リンパを運んでいる組織にある細い経絡はリンパをきれいに保つ胆の機能によって制御されています。

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