刺絡

刺絡をご存知でしょうか?

この療法はとても長い歴史を有する施術法です。
鍼灸の原典である「黄帝内経」にも記載されています。
簡単に言うと、指先や皮膚から微量の血液を出す方法です。
特徴としてはすぐに変化を実感できること。

しかし、現在この療法を取り入れている鍼灸院はわずかしかありません。
理由は、法律の解釈に対して誤解があるから。
しかも、鍼灸師を養成する学校も長らく正しく教えないから。

ところが最近ようやくその誤解がとけてきて、学校でも再び教えるようになってきました。
裁判や国会答弁などから、鍼灸師が刺絡で微量の血液を出すことは、鍼灸師の「はり」の業務範囲内であることが認められました。
外科手術でもなければ、病院で行われている「瀉血」でもありません。
もちろん、当院では消毒、殺菌など衛生面、安全面には最大の注意を払って施術します。

刺絡の定義

刺絡の普及活動を行う日本刺絡学会では以下のように定義しています。
「刺絡鍼法とは、経絡の流注とその主治作用に基づき、患者の病態に応じて、皮膚・経穴・血絡を選択し、三稜鍼またはその他の鍼具を用いて浅刺し、少量の血液を放出して経絡の気血の流行を疎通せしめ、症状を緩和し、疾病の治癒をはかる方法である。」

どこから出すのか 何を狙うのか 

血液は血管の中を通って全身を巡っています。
血管は大きく分けると3種類あります。

動脈
静脈
毛細血管

この中で刺絡鍼法では毛細血管から血を出しています。

動脈と静脈はなんとなくイメージできると思いますが、毛細血管は分かったような、分からないような存在だと思います。
ヒトの血管をすべてつなげると長さはなんと10万キロメートルにも達します。
10万キロメートルとは地球2周半!
このうち、毛細血管は90数%以上が毛細血管です。
そして毛細血管は血管の内径が非常に細く、赤血球が折りたたまれないと通れないほどです。

赤血球の寿命は約120日。
新しいうちは弾力があり、容易に折りたたんだり形を変えることができて、細い毛細血管をゆっくりと通り抜けることができます。
なぜこのような形態になっているかというと、ゆっくり通りぬけるときに、二酸化炭素と酸素の交換作業をするためです。
赤血球が酸素を持ってきて、二酸化炭素を運び去ってくれているんですね。

しかし、赤血球が古くなると硬くなってきてだんだん毛細血管内を通過できず、詰まってきます。
こうやって詰まった血のことを瘀血(おけつ)と呼びます。

毛細血管はあちこち無数に枝分かれして分布しているので、すべてが詰まることはよほどのことがなければ起こりません。
もしそのような事態になり完全に詰まると、いわゆる壊死状態になります。
そこまでいかなくても、ところどころで詰まって流れが悪くなることはよくあることなのです。
そして、それが体の痛みや不調の原因だったりするのです。
これを解消するのが刺絡の1つの狙いなのです。

そして微量でも出血する、ということ自体が体にとって大きな変化です。
体は自分自身を維持するために免疫力を活性化してくれるのです。
これが刺絡のもう1つの狙いです。

この2つの狙いで体を良い方向に導くことをはかっているのです。
また、神経の異常亢進を抑制し生体の恒常性を維持する作用をとなえる説もあります。
この場合の神経とは自律神経(交感神経、副交感神経)と体性神経(感覚神経、運動神経)です。

当院の施術法

当院では、井穴刺絡と皮膚刺絡を取り入れています。

井穴刺絡

経絡上にはいくつかのツボがあるのですが、その中で末端にあたるツボを「井穴」と言います。ここから血を少量出すことで、その経絡の走行ラインに対しての施術です。

皮膚刺絡

皮膚は見方によっては体の末端です。
皮膚や筋に異常があり、ほかの場所と異なる状態にあるポイントを狙います。
刺絡をしてそこに吸玉の陰圧の力で瘀血(おけつ)を取り除きます。


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